「勇者計画アヴェルブレイバー」・登場人物表
久遠寺 勇里(28)主人公
槇原 真希(28)
葛西 丈二(26)
繁華街 居酒屋
- 勇里「おつかれー」
- 丈二「おせーぞ勇里。人を集めといて」
- 真希「ほんとよ。ったく。先に飲み始めたわよ?」
- 勇里「悪い悪い、曹長になると報告書も面倒でねえ」
- 丈二「給料泥棒のパイロットが何をえらそーに」
- 勇里「でよ、でよ。早速本題なんだけどさ」
- 真希「……やけに食い気味ね、またロボットアニメの話?」
- 丈二「あ、俺もそれに一票」
- 勇里「俺達3人で、スーパーロボット作らないか!?」
- 丈二・真希「は?」
OPテーマ(ショートサイズ)+ナレーション
N勇里「クラウドファンディング。インターネットなどを介して、世界中に寄付を呼びかけプロジェクトを成功させる。この言葉がわかればこのドラマは最後まで聞けるようにできているぞ♪」
OP流れる
- N勇里「時は、西暦2216年。これを聞いている21世紀の君らにとって、この物語は近未来の出来事だと思う。だからこそ言っておきたい。百年やそこらじゃ、人間は大して進歩してない。まして、男の理想なんてぇモンは、未来永劫変わらないんじゃないかぁ?と、俺は思ってしまった。いやそう確信する!」
繁華街 居酒屋
- 丈二「すぅぱぁろぼっとぉ!?」
- 勇里「好きだろーお前らも! 変形して合体して、ジェット噴射だけで空が翔べて、しかもロケットパンチと謎ビームで敵をなぎ倒すような」
- 勇里『行けぇ!ブーストアーム!! 必殺・ブレイブ!ビイイイイイム!!』
- 丈二「はぁ…… あのなーぁ? 地球防衛軍 人型機動兵器部隊日本支部所属の【久遠寺勇里】曹長殿には大変申し訳ねーでございますけどねぇ! こちとらお前らメタルデバイス乗りのために毎日毎日部品作ってんの!それ以外の事をする暇もなきゃ金もねーんだよ!」
- N勇里『この男、名を葛西丈二と言う。葛西部品製造所の御曹司で、俺、久遠寺勇里の大親友。同じスーパーロボット好きとして、こいつ以上に信頼できる奴はいない。スーパーロボット好きのくせにリアリストなのがちょっと許せんのだが……』
- 真希「すいませーん お冷タルでクダサーイ」
- 勇里「なんだよ真希!まだ一口も呑んじゃいねえって! しかもなんだよ、タルって!」
- 真希「勇里が寝ぼけたこと言うからよ」
- N勇里『この女、槇原真希。またの名をマキマキ…… 俺と同じく、地球防衛軍に所属する天才プログラマー。防衛軍に配備されている機動兵器のコンピューターやらはだいたいこいつが作ったらしい。まあ詳しいことは知らんが。この女は現実のメカしか興味が無いらしく俺は常々、少しは男の夢を理解すべきだと思っている。が、ともかく!この二人が俺の心の友ってわけだ』
- 丈二「久々に3人で集まろうって言うから何の話かと思えば、冗談にもなってねえな。なあ槇原」
- 真希「ま、軍人として昇進しても、人としての精進は足らないってことよね、要するに」
- 丈二「あ、そこそこ上手いな、それ」
- 勇里「だーーーーー! 人の話を最後まで聞け!」(どん!)
- 真希「珍しいわね、原始人のアンタがパソコン持ってくるなんて」
- 丈二「タッチタイプはできるようになったかー?」
- 勇里「お前らホンットに最低だな! とにかくこれを見ろ!」
- 真希「クラウドファンディングぅ……?」
- 丈二「……薄々読めたぞ? お前、ロボット建造の資金をクラウドファンディングで集めようって腹だな?」
- 勇里「そのとーり!」
- 真希「アホね。無理よ」
- 勇里「なんだとぉマキマキの分際でえらそーに!」
- 真希「マキマキ言うな!どうせ世界中からちょっとずつお金をもらえる、とか聞きつけたんでしょうけど、クラウドファンディングっていうのは思った以上に難しいもんなの。企画立案者の求心力や知名度もそうだし、企画目的だってねぇ……」
- 丈二「(遮って)槇原、こいつにそういう話は通じねえよ。脳みそ筋肉のパイロットさんなんだからさぁ」
- 勇里「うっせぇなぁ!やってみなきゃわかんねえだろうが!」
- 真希「そこまで言うならやってみれば良いじゃない。3日で1千億セル集まったら私と葛西でソフトもハードもバッチリ作ってやるわよ。アンタの希望通りにね」
- 丈二「お、おいちょと」
- 勇里「言ったなー!? よーーーし集めてやるよ!3日もありゃ十分だ!見てろよぉ?世界中の男のロマンを結集させてやるからな!設計図書きながらクビ洗って待ってろ!」
- 丈二「もしもーし」
- 真希「はん!そんなチンケな浪漫、犬にでも食わせとけばいいのよ!バーーカバーーカ!」
- 丈二「きけー 人の話~~」
- 勇里「その言葉わすれんじゃねえぞ!三日後、またこの店に集合だからな!」
- 3日後 再び居酒屋
- N勇里「そして、約束の三日が過ぎた」
- 勇里「うっふふん♪」
- 真希「信じられない……」
- 丈二「……はぁ…… だから言わんこっちゃない」
- 真希「どういうことよそれ」
- 丈二「こいつ最終的な結果はともかく、物事の過程まではそこそこ成功させちゃうんだよ。普通ならできん事でもね」
- 真希「そういうことは早く言いなさいよ!」
- 丈二「言うタイミングを作ってから言ってくれる?それ」
- 勇里「なーーーーーっはっはっはっはっは! 2年で曹長にのし上がった天才パイロットの俺様に、不可能の文字はなーーーーーーい!」
- 真希「はぁ~~~…… まさか3日で2665億セルも集めるなんて……」
- 丈二「槇原の提示した額の2.6倍だもんなぁ……」
- 勇里「どうだ!これならお前ら二人が1年仕事しなくても十分食ってけるだろう!」
- 真希「えーえーそうよ!悔しいけどその通りよ!」
- 丈二「ど、どうすんだよ。槇原」
- 真希「仕方ないわ。やりましょう」
- 丈二「……まぢか」
- 勇里「さすが真希だな。俺は信じてるぜ?」
- 真希「女に二言はないわ。きっちりやってあげるわよ!」
- 丈二「俺は二言どころか一言も言ってないけども」
- N勇里「斯くして、俺達三人のスーパーロボット建造計画は、幕を開けるのであった!」
第一話 完
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